冬期セミナー:第8回肢体不自由療育セミナー開催要項
主催 北海道肢体不自由療育セミナー実行委員会
協賛 学 校 法 人 鶴 岡 学 園 北 海 道 文 教 大 学
療育そして教育分野の「運動・動作」の歴史を振り返ると、リハビリテーションでは「神経生理学的治療」として、「徒手操作により正常な運動パターンを促し、異常な運動パターンをコントロールすることで中枢神経系を調整する」という技法や、「正常化」を目的にするものもありました。しかし、それらのアプローチは子どもたちの動作獲得に大きな変化を与えるものとはなりませんでした。ただし、すべてが否定されるものではなく、運動障害のある児童の筋緊張や姿勢コントロールなどでは、例えばNDT(ボバース)アプローチでのハンドリングは有効な手技として使われています。
また、保育・教育分野の「運動学習理論」では、それなりに子ども自身が遂行できている運動、つまり、できるようになっている運動の洗練化や自動化が中心的な課題とされ、「人間の運動発達を特徴づけている<運動の習得>という問題はまったく取り上げられなかった」と言われています。
これらの運動や姿勢の獲得、運動学習の考え方は、「心身二元論」、そして行動主義の「刺激―反応理論(S-R理論)」、人間科学ではなく「自然科学」などを基盤に展開されているものですが、このことは療育の歴史的な制約の中での到達点でもありました。
その上で、私たちは実践や臨床の場で、悩みながらも取捨選択しながら工夫し、新しい知識や方法に学びながら、子どもたちの育ちと変化を生み出しているのも事実です。
今回のセミナーでは、子どもとの指導場面や臨床場面での二人称的関係、つまり「間身体性」を前提に、生態学的心理学や認知科学、現象学的発達心理学、認知神経科学から子どもたちの模倣と動作や行為の創発する仕組みについて、この分野の第一人者であり、先進の研究や臨床を行っている講師を迎えています。
各講座の講演と質疑応答を通し、日々私たちが療育や教育の実践、臨床の中で抱いている疑問や問題、また成果なども含め、自由闊達に協議ができる場にしたいと考えています。多数ご参加ください。
<日 時>
2024年12月7日(土)12:45~18:45(受付 12:00~12:45)
12月8日(日) 9:15~15:50(受付 8:30~ 9:15)
<会 場>
北海道文教大学 鶴岡記念講堂 911教室 北海道恵庭市黄金中央5丁目196-1
<後 援>
北海道小児理学療法研究会、北海道自立活動教諭研究協議会
北海道感覚統合研究会、全国障害者問題研究会千歳サークル
<協 力> ちとせ児童発達支援センター